中学受験 社会の勉強法を合格者が伝授!地理・歴史・公民ごとに解説

多くの人は「社会は暗記科目だから後からでも大丈夫」と後回しにする傾向があります。また、後回しにするつもりがなかったとしても、日々の塾の授業や宿題が忙しいことで手薄になってしまいがちです。

とはいえ、社会はコツコツと努力をしておかなければ実力が付きません。暗記も膨大な量が必要なので一夜漬けでは到底間に合わないです。そこで早めから適切な勉強を進めておくことが求められます。

今回は社会の勉強方法として、分野ごとにどのような勉強をすればよいのかを紹介していきます。なかなか社会の成績が上がらない人、勉強方法に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。

目次

中学受験 社会の勉強法として知っておくべき大切なこと

そもそも社会の勉強をするにあたり、どのようなことを覚えておかないといけないのでしょうか。大切なポイントを3つ紹介します。

社会は暗記がすべてではない

もちろん、都道府県や歴史上の人物、日本国憲法など、中学受験の社会では覚えなければならないものはたくさんあります。しかし、社会は覚えればすべて完結するものではありません。大切なのは覚えた内容の背景を理解することにあります。

例えば、お米の生産をしている地域にはどのような地理的特徴があるのか、歴史の出来事はなぜ起こったのか、といった事象を考えることが社会という学問なのです。そのため暗記すればすべての問題が解けるわけではないですし、正しく事象を理解することによって、暗記の負担も大幅に軽減することができます。

出題傾向の変化

中学入試の社会の問題もこの数年で出題傾向に変化が見られます。一昔前は記号選択問題が中心の学校が多かったですが、最近では単純な一問一答形式の問題はかなり少ないです。

最近の入試問題では、社会も記述問題を出題する学校が増えています。内容も、語句の説明や起きた事象を書くだけではありません。図や表を参考にして今まで学んだ知識を活用して答えを述べる問題や、ある事象への自分の意見をまとめる問題など、知識を丸暗記していては対応できない問題が多いです。物事の本質を理解して、正しく使える知識を身につけなけることが求められています。

長く使える知識を身につける

中学受験の社会の内容は小学校の社会の授業内容をベースにしています。しかし、小学校の社会の授業内容だけでは、ほとんどの学校の入試に対応することができません。入試で出題される内容は、小学校で習う社会の内容よりも細階部分まで出題されます。そのため頭に入れるべき知識はかなり膨大です。

頭に入れる内容がとても多いので勉強自体は大変ですが、身につけた知識は中学生や高校生になって学ぶものの基礎となります。中学に入ってはじめのうちは、理科や社会は知っている内容がほとんどです。逆に言えば、中学受験の社会を知っている前提で中学校は授業をするため、知識が身についていないと遅れを取ることになってしまいます。

中学受験の社会が嫌いになる理由

社会の点数が伸び悩んだり、思うように宿題が進められなかったりすれば、社会が嫌いになるのは当然のことです。一般的に社会が嫌いになる原因は大きく2つあります。社会の勉強方法を軌道修正し、得意科目にしていくためにも、何が原因で今社会が嫌いなのかという状況判断はとても重要です。

丸暗記をしようとしてきた

何度も伝えている通り、ただ丸暗記をしているだけでは社会の問題に対応できる力は身に付きません。一時的には丸暗記しても対応は可能です。しかし人間の記憶力には限界があり、整理されずやみくもに覚えたものは長く記憶に残らないですし、知識が混乱してしまい覚えたものも役に立たなくなってしまいます。丸暗記で対応できるのは塾で毎週行われる確認テストが限界です。

模試になると範囲も広くなりますし、問われる内容も一問一答よりも難易度が上がってきます。そうすると丸暗記の知識では太刀打ちできず、社会の点数が取れない状況になります。「普段のテストは取れるのにテストになると点数が取れない」となれば、勉強していても楽しくないですし、どんどんとモチベーションも下がり、最終的に社会が嫌いになるのです。

社会の勉強が後手に回ってしまった

4科目の勉強を並行して進めるというのは決して簡単なことではありません。多くの人は受験勉強をするにあたり、算数に時間が割かれる傾向があります。そうすると、なかなか他の科目に手が出せず、毎週少しずつ積み残しが出てきてしまうのです。

社会は暗記科目だから後から一気に覚えれば大丈夫、というイメージが持たれますが、暗記もすぐにできるものではありません。また、先に述べた通り、暗記だけで社会の勉強は完結しないです。こういった状況から、いざ社会の勉強をしようと思ったときには何から手を付けていいかわからない状態になり、社会が嫌になってしまうのです。

中学受験 社会の勉強方法【単元別】

では、上記のような社会嫌いの状態にならないようにするためには、具体的にどういった勉強をしていけばよいのでしょうか。単元ごとに勉強方法を紹介していきます。

中学受験 社会の勉強方法「地理」

地理の出題範囲は、都道府県や県庁所在地といった日本の地理だけでなく、都道府県の盗聴や特産物、地図の読み取りといったものが出題されます。ただすべての項目を暗記するのは無理があるくらい膨大な量の知識のインプットが必要です。

とはいえ、地理で覚えるべき知識もすべてつながりがあります。その土台になるものが日本地図です。まずは都道府県の位置関係を正確に把握し、その後、各地の特性とその背景を理解していくのが理想的な学習方法です。地形と気候は必ず農林水産業とリンクをしています。そのため、流れとしては日本の国土を理解して、その特性を生かして各地でどのようなことが行われているかを整理し、最後に農業や工業などカテゴリーごとに整理をしていくことで知識を完成させることができます。

中学受験 社会の勉強方法「歴史」

歴史の勉強でもっとも大切なのは流れをつかむことです。多くの人は歴史の勉強方法というと、年号と出来事を暗記するイメージがあります。確かに年号も必要です。しかし、最優先は流れを理解し、それぞれの出来事の登場人物とのちにどのような影響を及ぼしたのか、という前後関係を理解することです。

流れについても最初から詳細にすべてを理解して頭に入れることはできません。大枠の核となる部分をインプットし、そこに新たな知識を少しずつ肉付けしていくと、記憶にも残りやすく、少しずつ仕上げをすることができます。

歴史でも外せないのが都道府県です。歴史上の出来事がどこで起きたのかということを地図で確認することで歴史の流れもつかみやすくなります。また、歴史上の出来事が起きた場所についても地図から選択する問題も出題されることが多いので、歴史であっても都道府県は必須の知識です。

中学受験 社会の勉強方法「公民」「時事問題」

公民や時事問題に取り組むにあたり、とても重要なのが「日頃から興味関心を持つ」ということです。公民や時事問題に苦手意識を持つ人の多くは「よくわからない」「難しそう」といった先入観を持っています。日頃からニュースや新聞で見聞きすることができるものだからこそ、親子の会話などで積極的に触れることを心がけてみましょう。

興味があること、日頃から見聞きするもの、であれば授業で触れても頭に残りやすいです。最初から大人向けのニュースを見て理解できる必要はありません。クイズ番組や情報バラエティ、子ども新聞といったものから始めるので十分です。大人も解説が難しいときにはインターネットも活用して、わかりやすい説明を一緒に確認してみるようにしましょう。

普段の学習については、一覧表や図にまとめることを心がけるのが大切です。語句とその意味だけでなく、三権分立のようにそれぞれの関係性もよく出題されるため、このような整理方法をすることで覚えた知識を活用できるようになります。自分ですべて図式化するのは大変なので、塾のテキストや参考書を活用しながら進めるのがおすすめです。

合格のために取り組むべき勉強方法

では、具体的に受験に合格するためにどのような勉強をしていけばよいのでしょうか。ポイントを3つ紹介します。

基礎を正しく頭にインプットする

中学受験の社会の勉強を始めて、最初に多くのがつまずくのが語句を正しく覚えることです。音では正しく認識できていても、漢字で書けない、漢字を間違えている、では点数に結びつきません。最初のうちは見慣れない感じも多く出てきます。そこで、正しく漢字を認識して覚えられるようにするトレーニングが重要です。

受験勉強を始めて間もないうちは、授業の板書ノートや、宿題のノートなど、子どもが書いたものが正しいか保護者が漢字のチェックをするようにしましょう。間違えているものがあれば指摘をし、一緒に練習をして正しい漢字を覚えていきます。繰り返していけば見間違えたり勘違いしたりする漢字もどんどん少なくなっていきますし、正しく認識するためのコツも身に付きます。コツがわかれば授業を聞いて宿題に取り組めば、自然に正しい漢字で認識できるようになります。

日頃から社会に触れる

私たちの生活の中に社会の学習要素はたくさんあふれています。例えばスーパーに行けば様々な食材が販売されており、それぞれの産地が表記されています。テレビを見れば政治や経済の動向を知ることもできますし、歴史もドラマやマンガで学ぶことも可能です。このように、社会の勉強というのは机の上だけで行われるものではありません。

親子での会話の中で社会に関することを話すようにするだけでも、子どもたちの中で社会の知識は定着しやすくなります。一問一答のクイズを出さなくても十分です。旅行に行った場所の話をしたり、今日食べたものはどこから来たのか話したり、好きな武将が誰かを話したり、ということも社会の勉強になります。一緒に会話することは、受験生にとってストレス発散にも効果的です。

親子での会話の中で社会の話をする際には、子どもにネガティブな感情を抱かせるようなことは言わないようにしましょう。覚えていなかったり間違えたりしても、それを咎めることは避けるべきです。子どもが楽しく会話しながら学ぶことを理想としましょう。

休憩時間にはゲームやマンガも取り入れてみる

受験生にゲームやマンガは禁止、という印象を持っている保護者も多くいます。しかし、休み時間にルールを決めて取り組めば、こういったものも勉強にとても良い効果をもたらします。最近では受験生が活用するのにも便利な勉強系のアプリが多いです。地理の白地図パズルのものや、歴史の年号クイズのものなど、遊びながらも知識を身につけられるものが無料で利用できます。上手に取り入れれば、休憩時間でも子どもたちが効率的に勉強でき、なおかつリフレッシュをすることが可能です。

マンガも歴史のマンガを読むことは歴史の流れを把握するのにとても高い効果が期待できます。もちろん、マンガだけですべての歴史の知識を身につけることはできません。しかし、流れをつかむことで今まで覚えた知識を確実なものにしたり、理解できなかった部分の知識を埋められたりといった効果が期待できます。

ただし、ゲームやマンガは適切な利用を心がけることが大切です。勉強だからといって長時間ゲームやマンガに取り組んでしまうと、本来の勉強がおろそかになってしまいます。また、部屋で一人の時間にゲームやマンガを手に取ると長時間取り組むだけでなく、タブレットで動画を見たり関係のないゲームをしたり、別のマンガを読んだりして勉強以外のものに手を出す原因になることもあります。事前に取り組む時間を決めたり、リビングなど様子の見える場所に限定して取り組むようにしたりといったルールを決めておくことが大切です。

過去問や記述問題は基礎ができてから

早く偏差値をあげたい、難関校に合格したい、といった気持ちを持っていると、どうしても応用問題や記述問題、過去問といったものに挑戦したいという気持ちが出てきがちです。しかし、基礎ができていないと応用内容は身につくことがありません。過去問や記述対策といったものは、普段の宿題や予習・復習で無理に取り組まず、長期休暇や小学校6年生の夏休み以降に取り入れるようにしましょう。

一般的な塾では、長期休暇の講習で復習と応用内容への取り組みが行われます。また、小学校6年生の夏休みまでに単元学習を終え、9月以降に過去問などの実践問題のトレーニングが始まります。それまでは塾の授業内容を確認し、定着させることを第一優先にしましょう。社会の知識は身につけるべきものも多いですし、新しいものを覚えると前の単元が抜けることも多いです。反復練習を繰り返すことにより、知識を定着させることを優先させることで、9月以降の実践練習で確実に入試に対応できる力を養うことができます。

振り返り用の教材を用意する

受験生はとても忙しいです。学校に行きながら、塾の授業と宿題をこなすというのは決して簡単なことではありません。その合間に復習や苦手科目のフォローの時間も作るとなると、ちょっとしたすき間時間をどれだけ上手に使えるかが勝負になります。

そこで空き時間に社会の復習をすぐにできるようにするための、振り返り教材を準備しておきましょう。一問一答の問題集や、白地図など、そのとき覚えられていないものを取り組める教材であれば、どのようなものでも構いません。また、塾の教材や市販の参考書だけでなく、自作のまとめノートを作成するのもおすすめです。自作のまとめノートは自分の苦手や間違えた問題を集めて作成するので、自分だけのオリジナル参考書になります。慣れるまでは作成に手間がかかることもありますが、コピーも活用すれば慣れてくるとさほど手間はかかりません。

自分に合った勉強法を早めに見つけて社会を得意にしよう

今回、合格した人たちの体験をもとに、分野ごとの勉強のコツと、社会を得意にする様々な勉強方法を紹介しています。紹介している勉強方法はすべて効果のあるものですが、合う・合わないは人によって様々です。まずはいろいろな方法を試してみて、自分に合った方法を見つけていくようにしましょう。

中学受験 社会の勉強法まとめ

社会が苦手、点が取れない、という人にはいくつかの原因があります。社会の点数が伸び悩んでいる人は、今回紹介した社会ができない理由のうち、どこに当てはまるのかをまずは確認しましょう。それがわかると取るべき対策がみえてきます。

トレーニングを積めば、必ず社会は得点源になる科目です。子どもたちが一人で抱え込むのではなく、保護者も協力して一緒に取り組むようにしたり、テレビやゲーム、マンガも有効活用したりして、楽しみながら苦手を克服していくようにしましょう。

この記事を書いた人

中学受験問題集ジャーナル編集部は、The IEEE Technical Committee on Scalable Computing&Education (TCSC) のメンバーで構成されており、中学受験で合格を勝ち取るために問題集や参考書を徹底的に分析している「中学受験のスペシャリスト」です。

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